すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -053/203page
ているくらいでしたから、年貢(ねんぐ)を軽くするどころか、少しでも多く取ろうとしていました。
年貢をきちんと納めるには、一つぶでも多くの米をとらなければならないと、与次右衛門は、人にも教え、自分でも先にたって農業にはげみました。
与次右衛門は、老人の経験や昔からの言い伝えを参考にして、熱心に研究しました。そのおかげで、田畑の手入れはゆきとどき、作物(さくもつ)もよく成長していました。与次右衛門は、それを村の人にも、よく教えてやりました。
おりふしに村の作りのよしあしを、見るは司(つかさ)のつとめなるぞや
(そのときどきに、村の人の作物のできがよいか悪いかを見てやるのは、村のかしらである自分の仕事であろうか。)
耕(たがや)しのうときやからに教うるは、村の司(つかさ)のつとめなりけり
(農業のやり方を、あまり知らない人たちに教えるのは、村のかしらで