すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -063/203page
私は、会津で、いや、日本ではじめて実際(じっさい)に役立つ農業の本を書くのだ。」
与次右衛門の自信は、小さいときから実際に農業の経験があること、たくさんの観察をし、ためしてみた記録のあることです。手本は、中国の『王禎農書(おうていのうしょ)』があります。
本をかきながらも、雪の降らない季節には、与次右衛門の観察と実験は、つづけられていきました。
貞享(じょうきょう)元年(1684年)、与次右衛門は、五十五歳になりました。まだまだ、元気です。年の暮れをむかえるころ、とうとう本