すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -065/203page
な作物(さくもつ)の種まきの時期や、つくり方、こやしの与え方などが、くわしくのべられています。そして、下巻には、農業に役立つこと、農家の生活について役立つことなどが、いろいろな点から書かれています。
この時代の文章を書く人は、漢字をたくさん使って、むずかしいことばで書くのがふつうでした。むしろ、それが、えらい人のように考えていたのです。しかし、与次右衛門(よじえもん)は、
「この本は、むずかしい字の読めない百姓のために書くのだ。」
と考えて書いたので、『会津農書』は、やさしい文字や、わかりやすいことばで書かれてありました。会津地方のことばも使われています。会津の百姓にも読めるように、くふうして書かれていたのです
年の暮れのあわただしいしごとのあいまに、与次右衛門は、『会津農書』三さつをもって、お寺に和尚(おしょう)さんをたずねました。