すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -070/203page
仕事をしながら、歌を作っていきました。
宝永(ほうえい)元年(1704年)、与次右衛門の七十五歳のとき、ついに歌の本が完成しました。歌の数は一六七〇あまり、六さつの本にまとめられ、『会津歌農書(うたのうしょ)』と名づけられました。
この本は、歌だけではなく、たくさんの農業についての絵も書かれています。これは、字のよめない人でも、絵をみて歌をきけばわかるように、という与次右衛門のあたたかい心があらわれています。『会津歌農書』は、絵農書(えのうしょ)でもあり、農民への愛情の本でもあったのです。