すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -072/203page
現代に生きる与次右衛門
正徳(しょうとく)元年(1771年)佐瀬与次右衛門(さぜよじえもん)は、八十二歳まで長生きし、かがやかしい足あとを残して、その生涯(しょうがい)を終えましました。
与次右衛門の教えをうけて、また『会津農書』に教えられて、幕内(まくのうち)の農業はその後もさかんになっていきました。野菜は、会津だけでなく、全国の各地に運ばれていきました。野菜のたねや、苗(なえ)の産地としても、有名になりました。いろいろな野菜を、組み合わせた農業の方法は、ずっと続けられました。
与次右衛門が苦心したナス作りは、そのままのやり方で、ごく最近まで続けられていました。毎年五月の終わりごろには、ナス苗を買う人が、遠くから幕内にやってきたものでした。