すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -085/203page
計算を役に立てる
その夜から豊助の仕事は始まりました。
自分の部屋にとじこもって地図をひろげたり、片はしから本を開いて、調べものを続けました。夜が明けると、夜の間に調べた地図を持って、実際の地形を調べるために歩きまわりました。
まず、城中に流れこむ湯川(ゆがわ)、大川(おおかわ)、日橋川(にっぱしがわ)を調べました。しかし、三つともこれ以上の水を城下にひくことのできないことがわかりました。田の水が足りなくなってしまうのです。
実地に調べて驚いたことは、城下の地形のことでした。戦(いくさ)のとき、敵に水攻(みずぜ)めをさせないために、鶴ヶ城は盆地(ぼんち)の高い地形のところに作られていたのです。