すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -097/203page
もらいました。
水が流れるように勾配(こうばい)をつけるのには、昼は竹竿(ざお)を、夜はちょうちんを使いました。同じ長さにして、等しい間隔(かんかくに)に立てたのを、遠くからながめて高低(こうてい)をはかりました。せまくしてできない所では、竹を半分に割って水を流してみました。
こうして約二か月、まだ予定通りに進まないうちに冬がやってきました。みぞれが二、三回降ったと思ったら、翌日は白い雪が山をおおってしまいました。工事は、雪どけまで中止するしかありませんでした。
正月が過ぎて、だんだん日の長くなったのがわかると、豊助は毎日空をながめて雪どけを待っていました。
三月のある日、八田宗吉(はったそうきち)から豊助の所に急ぎの使いがやってきて、暖かさが続いたために雪どけが早まり、用水路に水があふれて滝沢山(たきざわやま)の土手をくずしは