すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -107/203page
くるいがありませんでした。このころは、鉄分による磁石のくるいから方向を誤(あやま)ることがありました。
1か月あまりたったある日、豊助は、自分の計算によると、そろそろ開通(かいつう)するころだろうと考えて、洞門のエ事現場に入っていきました。豊助の姿を見て、人夫たちの仕事ぶりも熱をおびてきました。1人として休もうとする者はいません。泥(どろ)によごれた顔は汗(あせ)にまみれてまっ黒です。
そのとき、豊助の耳に変な物音が聞こ