すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -125/203page
「何をしているのだろう。」
目をこらしてみると、老人は岩にむかって、のみをふるっているのです。
「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ。
人のためじゃ、みなのためじゃ。
みなのために、道をつける。
道があれば、みなが喜ぶ。
なむあみだぶつ、なむあみだぶつ。」
老人の衣(ころも)は土でよごれていました。ひざから下は泥(どろ)の中にうまってしまい、とび散る小石のかけらをうけて、むき出しの腕や顔には、べっとりと血がにじんでいました。
突然、老人のからだが光に照らし出されたかと思うと、神々しいばかりに輝