すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -131/203page
して、入学試験をうけました。しかし、身長も低く、からだも弱かった伊策は身体検査(しんたいけんさ)で不合格となり、学科試験(がっかしけん)はうけられませんでした。
がっかりして家に帰った伊策は、くやしくて眠れませんでした。次の日から伊策はそのくやしさをふりはらうように、山の仕事や田畑の仕事を夢中(むちゅう)になってやりました。手足が痛くて動けなくなることもありました。くたくたに疲れたからだをひきずるようにして家にもどる生活が続けられました。
「どうしても、おれは先生になるのだ。からだが弱くて先生になれなかったなんて、くやしい。」
伊策には、どうしても先生になる希望を捨てることができなかったのです。からだをきたえ直して、検定試験による先生への道をえらぼうと考えていたのでした。
そのころ、師範学校を卒業しなくても、検定試験に合格すれば先生の資格を