すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -134/203page

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 ところが、いろいろな勉強を教えているうちに、伊策はたいへんなことに気がつきました。それは、そろばんの教え方についてです。

 たとえば、12わる2の計算を、そろばんを使わないで紙に式を書いて計算するときには、かけ算の九九(くく)を使って、2 6、12 とすぐにとけます。ところが、同じ問題をそろばんでやるときには、このころの教え方では割り算の九九を使ってやらなければならないので、2 1 天作(にいちてんさく)の5(ご)、2進(にしん)の1 10(いちじゅう)と、九九を2回も使わなければとくことができません。さらに、この割り算の九九を覚えるのが、またたいへん苦労します。自分が初めて兄にそろばんを習ったときのことを思い出しても、この割り算の九九を覚えるのに泣かされた経験がありました。

 「自分は、この割り算九九を覚えているから、簡単にとくことができるけれども、これから覚えようとする子どもたちはどうだろう。紙に式を書いて計算するときのかけ算九九と、そろばんで計算するときの割り算九九と、両方(りょうほう)


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