すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -141/203page

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た伊策は、自分の考えている新しい珠算のやり方は、計算の能率を高めることだから、水野(みずの)先生の話に関係があるかもしれない、と思いました。

 伊策は、自分の今までの研究の記録をまとめておいたので、さっそく水野先生に見ていただきました。先生は、研究の内容をくわしく読まれてから、研究のりっばなことに感心されて、
 「割り算九九がいらないということは、たいへんよい思いつきだ。どうだろう、これを全国の人に読んでもらうために、本にしては。」
と言われました。

 こうして、水野先生のお世話になって、実業(じつぎょう)の日本(にほん)社というところから出版(しゅっぱん)されたのが 「割九九(わりくく)いらずの珠算」 という本でした。これが、全国の珠算研究家の人々に、星伊策(ほし いさく)の名を広めるきっかけとなり、伊策の珠算の道をうち立てる第一歩となったのです。


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