すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -149/203page
行しました。その乙(おつ)種の教科書に、伊策の研究した珠算の考えがとり入れられていました。
「よかった。これでよかった。でも、これからがたいへんなんだ。これで、道が開けたわけだが、これから、この道を何人もの人でふみかためてもらわなければならないのだ。」
知らせを聞いた伊策(いさく)は、ほっと安心するとともに、さらに、勇気がわきおこってくるのを感じました。珠算ひどすじに生きるために学校の校長先生をやめてから、すでに十数年、56歳になった伊策は、珠算の道をふみかためるために全国を歩きまわることになるのです。
伊策の歩いたところは、北海道(ほっかいどう)から東北6県、関東(かんとう)から北陸(ほくりく)へと広げられていきました。どんな小さな村でも、どんな小さな学校でも、伊策はていねいに説明し、みんなにわかってもらおうとしました。そのたびに、新しい珠算の輪(わ)