すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -162/203page
いました。
四郎にとって、この森や林も、よい遊び場でした。野山をかけめぐって、木の実をとったりしながら、ワンバク少年、四郎はすくすくと育っていきました。
ワンパグだけでなく、四郎は読書も好きでした。友だちの家をたずねては、めずらしい本をかりてきて、新しく変わっていく世の中のことを、少しでも知ろうと、いっしょうけんめいに勉強しました。
明治の初め、全国に学校の制度が生まれたのにともなって、津川の町にも、お寺をかりた小学校がつくられました。四郎もそこで勉強しました。
7歳のときに父をなくした四郎でしたが、友だちと遊んだり、けんかをしたり、学校で勉強したりするとき、父のいない暗いかげは、少しもみられませんでした。
勉強好きな四郎は、16歳のとき、校長先生にたのまれて、自分の卒業した