すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -169/203page

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 永昌寺(えいしょうじ)というお寺の門を入ると、正面にりっばな玄関があり、そこを右にまがると、また小さな門があって、そのつきあたりが道場でした。

 けいこは、夜も昼も行われ、夜ふけになることもありました。

 はげしいけいこが続くと、もともと道場としてつくられた建物ではないので、道場の床(ゆか)がゆるんできます。小がらな四郎は、そのたびに、床下(ゆかした)にもぐって床(ゆか)を直さなければなりませんでした。

 住み込みの弟子である四郎は、けいこのほかにもやらなければならない仕事がありました。自分の家から道場に通ってくる金持ちの弟子たちの、けいこ着を洗ったり、修理したりしなければなりませんでした。寒い日などは手がこごえて、投げ出したくなることもありました。

 ある冬の日のことです。道場のそうじを終えて、手桶(ておけ)のよごれた水を捨ててくると、暮れやすい冬の空は、だんだんとうす暗さを加えてきました。足早(あしばや)に


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