すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -187/203page
と同じです。そのころは、まだクロールなどの泳き方は、伝えられていませんでした。
長崎の海は、きれいでした。大波止(おおはと)から団平船(だんぺいせん)という舟にのって、協会のつくった水泳場のあるねずみ島に渡る子どもたちの声が、海面をゆるがせてひびいてきます。砂浜にいすをおいて、子どもたちを監督(かんとく)する四郎の心には、あの故郷の常波川(とこなみがわ)で泳いだワンパク少年のころの、思い出がうかんでいたことでしょう。
「遠い昔のことになったな。」
四郎は、子どもが好きでした。この尾道(おのみち)へ来てからも、よく子どもたちを集