北会津村の文化財第23集 -007/027page

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図2 わが国の陸封型イトヨ生息地

平成2年3月 山中 實

○ 天然記念物指定地
● イトヨ生息地

図2 わが国の陸封型イトヨ生息地

北海道・大沼湖沼群
 (山中實1979)
 大沼、小沼、じゅんさい沼に多数生息する。
北海道・久根別川
 (山中實1979)
  30年ほど前より発電所のダムができて降海型そ上ができない。
北海道・堀株川 旧河川に生息
 (樋口正仁1989)
北海道・支笏湖
 (近年報告あり・増えている。)
北海道・錦多峰川
 (樋口正仁1989)
  下流部は河川改修により直線化
  上流の貯水池に多数生息。近くの北大演習林内の池に生息。
北海道・雨竜人工湖
 (道立ふ化場調査資料1977)
北海道・常呂川
 (小林弘1957・常呂町百年史)
 北見市付近の旧河川と用水堀に生息
北海道・釧路川の湧水域
 (山代昭三1975)
北海道・屈斜路湖
 (高安・沢1933)
北海道・阿寒湖
 (川村洋司1972)
北海道・十勝川水系
 (疋田豊彦1956・1978確認)
  札内川の伏流水の小河川.旧途別川の幕別ふ化場付近の湧水池
北海道・春採湖
 (1989樋口正仁)
  天然記念物のヒブナ生息。生息数多いイトヨ。ヘドロ等で透明度低く観察しにくい。
北海道・琵琶瀬川
 (1989樋口正仁)
  湿原内を流れる本流や止水域に生息する。

青森県十和田市・県内水面水産試験場 十和田湖町・十和田湖
 試験場の池に研究のために約4000尾を飼育している.生息地の面積は約40
アールである.
 十和田湖や周辺の川こも多少生息するが、調査不充分である。

秋田県大館市・米代川水系
 生息個体数は減っている。米代川水系の才川、下丙川等の各所に生息するが、近年の河川改修・土地改良工事等で生息地が減っている.
 保護指定や特別な活動はない。

福井県大野市「本願清水イトヨ生息地」
 昭和9年5月1日に国の天然記念物に指定されている。池の広さは約30アール・生息個体数は増えて約1万尾となる。
 10月下旬〜4月中旬に湧水が枯渇するので、揚水ポンプと織物工場からの送水により水量確保する。
 イトヨを守る会の協力で人工池の雪囲いい・池そうじ・草刈りをしている。

福島県喜多方市・押切川公園池
 河川合流工事で生息地を追われたイトヨが、廃川敷地に造築された湧水池に生息した。池の広さは約11アールで湧水量が多い時は約1方尾が生息したが、公園のエ事を繰りかえすごとに増減がひどく不安定である。工事完了すれば、定住できそうである。

福島県北会津村「白山沼イトヨ生息地」
 昭和51年4月6日に県の天然記念物に指定された。約33アールの池で1万尾ほどが生息する。冬期間は湧水量が減少するので、地下水を揚水して補給する。この池の水は農業用水として昔から利用されている。個体数はやや減少の傾向にある。近くに北会津村指定の「頭無イトヨ生息地」がある。

福島県会津坂下町「青木イトヨ生息地」
 昭和47年9月8日に町の天然記念物に指定された。湧水源につながる細流約0・8アールに150尾ほどが生息する。この流れは地域住民の生活用水でもあり飲み物を冷やしたり洗い場にもなっている。保護看板が2基設置してある。
 個体数は減少傾向にある。

栃木県大田原市「親園イトヨ生息地」
 昭和29年3月29日に県の天然記念物指定をうけている。生息数はふえているようだが約200尾ほどである。平成元年3月に生活雑排水が生息地に流入しないように工事をした。昭和62年にイトヨ保存会をつくり、川のパトロール・草刈り・ごみさらいなどをしている。


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