北会津の昔ばなしと伝説 -009/238page
村人は、たいへん喜んで迎えただど。
おふじさんも、喜んで、
「みなさん、ありがとうございやした。私もみなさんのお陰(かげ)で『主(ぬし)』さんから自ら進んで人身御空(ひとみごくう)になって、村の災難(さいなん)を一身(いっしん)に背負(せお)ったことは立派(りっぱ)だと褒(ほ)めらっち、来年からは人身御供(ひとみごくう)はなくして、おふじさんの心に感謝して宝物(たからもの)も授(さず)けてやんぞと、宝物(たからもの)をこのようにいっぱい頂いてきやした。みなさんにお分けしやす。」
と話したんだど。
それから、村人から崇(あが)められ村の守神のように長く愛されてな、村中明るく平和な月日を送ったんだど。