北会津の昔ばなしと伝説 -041/238page

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が消えて春になるとその穴に子供をなしていたんだど。

 ある時子供達がいたずらっ気を起こしてその穴に棒(ぼう)を何回も何回も突っ込んだどころ、突然(とつぜん)、親キツネと思われるキツネが飛び出してケンケン泣きながらうしろを振(ふ)り返(かえ)り振(ふ)り返(かえ)りしながら、逃(に)げて行ったんだど。子供達は仕返(しかえ)しを恐(おそ)れて家に逃げ帰りそのことの話をしたら、親達は

 「キツネに申し訳ないことをした。」

と言って、キツネの喜(よろこ)んで食べる小豆飯(あずきめし)にニシン漬(づ)けや油揚げなどをかわるがわる持っていったんだど。

 ご馳走(ちそう)をもらったキツネは、その後も、村の人達に仕返(しかえ)しをしたり、だましたりしなかったんだど。


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