北会津の昔ばなしと伝説 -042/238page
13 四(よ)つ壇(だん)の盗人石(ぬすっといし)
むかし、むかしあっただど。
どこの国から追われてきた盗人(ぬすっと)だか、定(さだか)かではないが、役人に追われて、会津まで逃げてきたんだど。
高田街道(たかだかいどう)を若松(わかまつ)さ向って追われてきたんだど。
上荒井村(かみあらいむら)のうばこ屋敷も過(す)ぎ、下小松(しもこまつ)[現在の小松地区]のガンガラ橋も過(す)ぎ、やがて下小松(しもこまつ)と四つ壇の追分(おいわけ)[村堺(むらざかい)]まで逃げてきたんだど。
どうしても逃げ切れねえと観念(かんねん)した盗人(ぬすっと)は、とっさに道端(みちばた)の畑のそばの小さな茂(しげ)みに逃げこんだんだど。
役人は、
「しめしめ。」