北会津の昔ばなしと伝説 -050/238page

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16 手長(てなが)足長(あしなが)

 むかし、むかし、あっただど。

 会津磐梯山(あいづばんだいさん)のあたりに、手長足長(てながあしなが)という怪物(かいぶつ)が住んでいたんだど。東の山から西の山まで、大きな手を広げて、おてんとうさまを隠(かく)して、真暗(まっくら)くしてしまったり、大雨を降らせたり、雷様のような大声をだしたり、作物(さくもつ)を荒(あ)らしたり、いつもいたずらばっかりして、会津の農民を困(こま)らせていたんだど。

 ある時、百姓(ひゃくしょう)達は、なんとかあのばけものを退治(たいじ)できないものかと、みんなで相談(そうだん)したんだげど、なかなかいい考えも浮(う)かばねで困(こま)っていたんだど。

 そこに一人の坊様(ぼうさま)が通(とお)りかかっただど。

 そこで、一人の百姓(ひゃくしょう)が

 「坊様(ぼうさま)、坊様(ぼうさま)、どうぞ私達を助けてくなんしょ。あの手長足長(てながあしなが)には、ほとほと困ってやす。」


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