北会津の昔ばなしと伝説 -109/238page

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 坊さんは、さんぼうの助(すけ)の言っていったのはこのことだなあと思い、あらかじめ用意して言いつけておいた五平(ごへい)という小僧(こぞう)に飼犬を

 「五平(ごへい)今だぞ。」

と言って放(はな)たせた。おとふれ狐(きつね)は、ばけの皮があらわれ、犬に追われて山に逃げ、最後にはかんこの疵(きず)をひって姿が見えなくなった。

 他方(たほう)さんぼうの助(すけ)は、旅には出たものの、どうしても夢見が悪いので、京(きょう)まで行かないで途中から引き返してきて、この話を聞いてびっくりした。

 「何んともお礼(れい)の申し上げようがない。お

挿絵 さんぼうの助とおとふれの話


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