北会津の昔ばなしと伝説 -145/238page
38 チンチンカラカラ
昔(むがし)むがしあったどよぉ
お爺(じん)ちゃどお婆(ばん)ちゃがいだだど。お爺(じん)ちゃは山さ柴刈さ出がげでだぁど。朝げ出がげっ時(とぎ)、お爺(じん)ちゃの弁当を作(つぐ)ってくっちぇだど。ほんでその弁当を持ってお爺(じん)ちゃが、
「ああお婆(ばん)ちゃ行ってくっからあ」
「行ってきらんしぇ、気(きい)つけで行ってきっせよぉ」
出がげだだど。弁当を持って山さ出がげで、山の木の枝さ弁当ひっかげで仕事してだだど。
「いやいや腹減ったなぁ」
つった。
「ちょうど昼飯(ちゅうはん)だがら飯(まんま)食うがぁ」