北会津の昔ばなしと伝説 -146/238page

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弁当開(ひら)いでみだっけが、弁当空っぽだった。

 「何(なん)だこれぇ、婆(ばあ)さままぁ弁当さ飯(まんま)入っちよごさながったのがまあ、んー」

なんて言(ゆ)って、腹減らして家(うつ)つぁ帰ってきたど。して、

 「何(なん)だ、弁当空だったぞ、空弁当持だせでだってしょうがあっかぁ」

ど言(ゆ)って怒(おご)っただど。

 「あら、おら入っちやっただがらぁ」

 「空っぽだったぞぉ」

って、そんなごど言(ゆ)って次の日んなっただど。

 ほんじぇまだ次の日弁当詰めでもらって、お爺(じん)ちゃ山さ柴刈りに出がげだだど。まだ同(おんな)じ木の枝さひっかげで仕事してで、昼飯(ちゅうはん)になったがらんじゃ飯(まんま)食うがど思って弁当開(ひら)いでみだっけ、まだ空っぽななど。

 「おがしなあ、今日間違い(まちげえ)なぐ弁当さ飯(まんま)入っちきただげんじょなあ」


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