北会津の昔ばなしと伝説 -188/238page

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すぐに寝込んでしまいました。

 さっそく、医者を呼び、診察してもらいましたが、原因がわからないということで、手のほどこしようがありませんでした。

 刻一刻と病状が悪化し、命もあやういという医者の話でした。

 ある者が、よく当たるといわれていたおがみや[祈祷師(きとうし)]を連れて、やって来ました。

おがんだおがみやがいうには、

 「上米塚(かみよねづか)のお地蔵さまが現われて『殿さまが病気になったのは、わしの大事な腰かけの松を切ったからだ』といっておられます。」

ということでした。そのことを聞いた殿さまは、

 「わしが悪かった。今すぐに上米塚(かみよねづか)へ参り、祈祷師(きとうし)を連れてお詫(わ)びに行くから、支度(したく)をしろ。早くいたせ。」

と、いってよろよろと立ちあがりました。家来の者たちは、


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