北会津の昔ばなしと伝説 -189/238page
「そのお身体では、むりでございます。われわれが行って、お詫(わ)びをして参りますから、殿さまは、休んでいてください。」
と、とめたのですが、ききいれず、出かけました。
玉光堂(ぎょっこうどう)の前まで来た殿さまは、土下座し、お地蔵さまに対して深くお詫(わ)びをし、ねんごろに供養をいたしました。
そのかいあって、その後、日ごとに殿さまの病状は回復し、元気になりました。お地蔵さまに申し訳のないことをしたと、葵(あおい)の御紋(ごもん)を入れた六枚の鬼瓦(おにがわら)をふくめ、玉光堂(ぎょっこうどう)の屋根がわらを寄進(きしん)したということです。