北会津の昔ばなしと伝説 -208/238page
激戦の最中に、時ならぬ笛、太鼓の音に、城下で戦っていた敵の兵士たちも、何ごとだろうと戦いをやめました。そのとき、小松の獅子の一行が来たので、敵の兵も会津の兵もあっけにとられて見おくっていました。
お城に近づくにしたがい、お城では、
「あの笛や太鼓の音は、小松の獅子舞(ししまい)のものです。」
「小松の獅子舞の後から、来られるのは、山川国家老殿でございます。」
と、喜び勇み、お城の門扉を開き、山川大蔵(やまかわたいぞう)の一行を入城させました。こうして、一兵も損じることなく、お城に戻ることができました。お城に入った小松の人々も、雑役に従事して、侍たちと一緒にお城を守ったということです。
会津戦争も、会津の敗戦で終り、松平容保公(まつだいらかたもりこう)は、御薬園(おやくえん)に幽閉(ゆうへい)の身となりました。
容保公(かたもりこう)は、