北会津の昔ばなしと伝説 -215/238page
53 お腹(なか)ごもり観音(かんのん)
舘に字「堂の下」という地名があり、そこに、むかし観音堂がありました。
しらひげの洪水のときに、この観音堂も流されてしまいました。
現在の舘観音堂の北西約300メートルのところに、字舘の下という地名があります。俗に、七兵衛屋敷(しちべえやしき)といっておりますが、そこに、どてがあり、堀がありました。今もその一部が残っております。
そのどての上に、稲荷さまをおまつりしてありますが、その稲荷さまの近くに大きな杉の木がありました。この杉は、まわりの雑草よりも、一段ぬけあがっていたので、少し離れたところからもよく見え、
「あれは、舘の七兵衛屋敷(しちべえやしき)の杉の木だ。」