北会津の昔ばなしと伝説 -221/238page

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そのことばかり思案していました。

 そんなある日、高田町雀林の法用寺の祭礼があるので、お参りに行かないかと、近所の人に誘われました。この人は、

 「そうだな。毎日、考えてばかりいてもしょうがないし、ひとつ、良い方法がさずかるように、お参りに行くか。」

と、出かけることにしました。

 東麻生から寺堀前へと出る法用寺街道を歩いて行きました。寺堀を過ぎ、宮袋へかかる手前に、かなり広い沼がありました。そこで、この辺の子供達が、四人ほどで釣(つり)をしていました。

 この人も、釣(つり)は嫌いな方でなかったので、子供達に声をかけました。

 「どうだ。つれるか?」

 「たいしたつれねえ。ここには、おっきい魚いるんだげんじょ、まだ誰もつんねえだ。」


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