北会津村誌 -002/534pag
だいまち付近にかかると、桃源の国、会津盆地が眼下に展開する。会津を初めておとずれる人々が、いつも驚異の限を見はる、山深い里の別天地。南北約40キロ、東西12キロの低平な湖盆地ともいうべき、肥沃豊醜な、夢のような美しい平野が展開している。このほぼ中央にわれわれの郷土北会津村が横たわっている。
ここにほ南から大きな二筋の流れと、北からの幾筋かの流れを、猪苗代湖から発した、盆地のほぼ中央を東西に横ぎる流れに集めて西のかた、越後山脈の彼方へ消えてゆく。この盆地の底に、森に囲まれた村のかたまりが点々と、豊かなかまどの煙をたちのぼらせている。
この盆地で集めた水は、山崎の峡隘を過ぎると、奥会津から集めた只見川と合して、ふるい越後の国、新潟県へ阿賀野川となって注