北会津村誌 -466/534page
柏 原 松林山 円城寺 浄土宗 十月 九日 二八 下米塚 古照山 観音寺 真言宗 一二 小 松 東陽山 常徳寺 曹洞宗 両 堂 不動堂 旧八月 三日 一一 二、おしんめいさま
神社・寺院の信仰には特殊なものの他は、一貫して祖国・祖先を崇ぶ信仰が流れている。毎日の自分の生命・ 健康の安全は天変地異、医学の科学的進歩をみせなかった時代には、ひとえに神仏に頼るほかなかったが、その 間に生れてきたのが俗に民間信仰といわれ、俗信といわれるもので、迷信・邪教とも紙一重のものもあったが、 生きてゆくための、昔の人の心のよりどころであったことから、見逃してはならないように思う。
その一つに、現在では殆んど信じる人もなくなったかにみえるおしんめいさま信仰がある。石原におとら婆さ んという、おしんめいさまを持ち歩く人があったというので聞出してみたが、村東にある鎮守の天照皇大神宮の 入口に、神明神社の小祠があって、古いものと、明治二十九年につくったものと、男女二体が二組納めてあるの を知った。明治末か、それ以後まで、持ち歩いて、肩をたたいたりして、病気快癒を祈ってくれた婆さんがあっ たというから、日本でも東北地方だけに残り、特に福島県はその信仰の南限として、女が持歩く遊行神としての 特色をもつしんめい信仰が、この会津地方にも、手厚かったことを知ることができた。
大島にも一対あって、これも今は持歩かなくなり、神棚に上っている。小松のものはあまり古くなく、よく読