磐椅王国 -010/034page
25.桜川遺跡(さくらがわいせき)(磐根・後手・土合)
桜川集落北側の畑地に立地する縄文時代前期の遺跡で、昭和五十三年の町史編纂に伴 う調査の際に石棒やけつ状耳飾りなどの貴重な資料が発見されました。その後県道の拡 幅工事によって竪穴住居跡や動物を捕えるための落とし穴が検出され、花積下層式・関 山式・大木2a〜3・5・6式・浮島式・諸磯式・興津式の土器と石鋲・石槍・掻器・石匙・ 石斧・有溝砥石・敲石・磨石・石核等の石器が出土しています。26.桜川南遺跡(さくらがわみなみいせき)(磐根・烏帽子石・村南)
桜川遺跡の南側に隣接する縄文〜平安時代の遺跡で、巨石や湧水のある場所を中心に各時 代の遺物が多数発見されました。縄文・弥生時代の土器には茅山式・大木2a〜6式・大洞C式・ 八幡台式併行のものがみられますが、石器の中には石核や剥片、未製品が多く、この場所で 石器を製作していたことが窺われます。また縄文時代の石棒、古墳時代の土玉・土馬等の祭 祀遺物の出土もみられる事から簡易な祭祀も執り行われていたものと考えられます。
27.戸ノロ遺跡(とのくちいせき)(翁沢・竹ケ袋)
戸ノロ遺跡出土の両尖ヒ首昭和二十六年に戸ノロ集落西側の運河の 岸より採集された石器は、両尖ヒ首と呼ば れる珍しい形の石器です。石質は頁岩で、 長さ21.7cmを計り、両端には幅の広い槍 先状の刺突部を設け、中間は幅を狭くして 握られる様にしています。
28.休場遺跡(やすみばいせき)(翁沢・休場 小浜他)
休場遺跡出土の石錘翁島マリーナの西側にある湖岸へ突出し た砂礫台地上に立地する縄文時代の遺跡で、 江戸時代の書物『会津石譜』にも登場し、 古くから周知されていた遺跡です。ここか らは魚網のおもりとして使用したと考えら れる側面に刻みを入れた小型の石錘が大量 に発見されていて、縄文中期未〜後期初頭 に人々が猪苗代湖で魚を捕って生活してい た事が分かります。また周辺の湖水中には 湖底遺跡や埋没林が確認されています。
−古 代−