磐椅王国 -014/034page
37.ネムノ長者屋敷層塔(ちょうじゃやしきそうとう)(磐根・草湯戸)
現在は諏訪神社の境内に移築されていますが、以前は東側の水田中にありました。 そこは昔ネム次郎という長者の屋敷であったといわれます。
三重石造の層塔で、高さ1.26m、幅0.55mを計り、 台座には蓮弁の模様が施されており、鎌倉時代のものと推定されています。
38.聖観音座像(しょうかんのんざぞう)(川桁・村北)
観音寺の本尊仏で、度々の火災からも焼失を免れ、現在に至っています。年代は不 明ですが、寄木造りで、容姿には運慶の作風がみられ、鎌倉期のものとみて誤りなく、 また舟形光背と蓮華台座は江戸時代中期の作です。39.銅像阿弥陀如来立像(どうぞうあみだにょらいりつぞう)(裏町)
安穏寺の本尊で、像高39.1cmを計る青銅製の仏像です。文永八年(1271)の紀年 銘があり、長野善光寺の本尊を摸したものと伝えられます。
この型の仏像は、鎌倉時代、復古主義の中で全国的に数多く造られましたが、頭に 被る大きな螺髪が善光寺三尊模造仏としては早い時期の注目すべき一例です。40.朝日向聖観音座像(あさひむかいしょうかんのんざぞう)(八幡・若宮)
現在内野の観音堂に祀られている仏像は、その特徴から鎌倉期に推定されるものです。 この観音像は重陽の節句に菊の花が供えられ、それを食べれば不老長寿に、枕の下に 敷いて寝れば頭痛が治るといわれます。また身重にみえる形態から、安産・子持けの 信仰があります。−中 世−