喜多方市勢要覧 -017/026page

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The Roman of Kitakata

喜多方散歩道

2 風の吹く頃に  Four Seasons

四季折々移り変わる情景、
豊かな季節の恵みとその温もり。

蔵の錠前

 四季の変化に富む喜多方では、移ろう季節 それぞれが、走馬灯のように色鮮やかにめぐ り来る。水がぬるみ、家々をすっぼりと覆っ ていた雪がようやく解けはじめる3月初句、 春を待ちかねたように、人も花も木も鳥もに わかに活気づく。春から初夏に向けて、喜多 方は百花繚乱の季節を迎える。田圃には水が 張られ、抜けるような蒼空に飯豊連峰の残雪 が目に沁みるほど眩しい。ミズバショウ、レ ンゲツツジ、ニッコウキスゲなどの高山植物 が咲き乱れるのもこの季節である。

 山に囲まれた盆地である喜多方の夏は、じ っとりとした蒸し暑さが続く。旧盆の8月15日には、若者たちの手で創り出された「蔵 太鼓」の競演が見られる。新しい時代の喜多 方を象徴するエネルギッシュな祭りである。

 秋の訪れは早い。熊野神社大祭が行われる 9月初旬には、金色の稲穂が秋風に揺れる。 収穫の秋には、良質の喜多方米のほか、葡萄、 林檎など多士済々の果実がたわわに実る。

 初冬を迎える11月のはじめには、杜氏た ちによる地酒の仕込みがはじまる。人々は冬 支度に忙しく、遠い山々からは初冠雪の便り が届き、いよいよ厳しい冬の到来を告げる。


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