喜多方市の文化財 -003/055page
木造阿弥陀如来及両脇侍坐像
この弥陀三尊像は、昭和4年国宝に指定されたが、昭和25年の法律 改正によって、現在は重要文化財となっている。
中尊の阿弥陀如来像は241センチの堂々とした坐像で、千体仏をつけ た舟形光背を背に金色に輝いている。上品下生(じょうぼんげしょう)の来迎相で、二重蓮台の上に結跏跌坐(けっかふざ)(あぐらをかいたような坐り方)をしている。
脇侍は、向かって右が観音菩薩像で128.5センチ、両手に蓮の台(うてな)を ささげ、宝冠には化仏(けぶつ)がある。左の勢至菩薩像は130センチで、合掌し 宝冠には宝瓶(ほうびょう)がついており、両菩薩ともに膝を折って坐っている。
三尊ともに寄木づくりで、鎌倉時代の作とされている。この形式は、京 都三千院の来迎三尊像と同じもので、この種の仏像は東北地方では珍しい ものである。
なお、三尊のある願成寺は、嘉禄3年 (1227)隆寛律師の開山で、その弟 子実成の建立したものである。しかし、 後にすたれたのを寛文5年 (1665) に入田付光徳寺の住職行誉(ぎょうよ)が、松平家に 願って再興したものであり、この三尊は、 延宝3年(1675)中村(喜多方市松 山町) から移したものである。
所 在 地 上三宮町上三宮字籬山 願成寺
指定年月日 昭和4年4月6日