喜多方市の文化財 -004/055page
木造薬師如来坐像
中尊寺の薬師如来像は、昭和3牢国宝に指定されたが、昭和 25年の法律改正で現在は重要文化財となっている。
寄木づくり、漆箔(しっばく)押の88センチの坐像で、藤原時代の面影 を残している。優雅、円満な面相で、翻波(ほんぱ)式の衣文(えもん)が美しく、 姿も整い、鎌倉時代の作としておだやかなうちにも落ちついた 気品のある作品である。脇侍の日光菩薩と月光菩薩(がっこうぼさつ)は新しい。
中善寺は、昔大きな霊場であったが、次第にすたれたのを、 元禄16年(1703) 栄昶(えいちょう)が住職になってから、その再興 を念願し、時には断食、塩味を断ち、さらに穀食を断って木食 するなど、苦心の末に薬師堂の改築、仏像の修理などを成しと げた。そのため人々は木食上人として敬った。なお、栄昶が晩 年、萱場の西に草庵をつくって書写した「大般若経六百巻」 (市指定有形文化財)も納めてある。なお、裏山には栄昶が亡 き母の追善のためにつくった「一石一字経塚」がある。
所 在 地 関柴町関柴字赤坂後 中善寺
指定年月日 昭和3年4月4日