喜多方市の文化財 -016/055page
木造文殊菩薩騎獅像
新宮の文殊堂に安置されているこの文殊菩薩像は、大きな獅 子に乗った全長285センチの像である。
宝髻(ほうけい)の形や玉眼の入っていないこと、手指のせん細さなど藤 原時代色もあるが、顔の男性的なしまり、膝の衣文の数と深さ、 側面から見た厚さや背面の彫刻等から鎌倉時代初めの作と考え られている。
「新編会津風土記」に、建久3年(1192)社領が侵略に あった際、熊野神社の長吏が鎌倉に訴えたのに対し、源頼朝か ら社領状とともに、小さな文殊像が贈られたが、この小像を現 在の文殊像の躯内に納めたと言い伝えている。
所 在 地 慶徳町新宮字熊野 熊野神社
指定年月日 昭和39年3月24日