喜多方市の文化財 -017/055page

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熊 野 神 社 本 殿

 熊野神社は、社伝(新宮雑葉記(ざつようき)) によれば、前九年の役で源頼義が陸奥征討におもむいたとき、武運を祈って天喜3年(1055) 紀州熊野から 熊野堂村(現在の河東町熊野堂)に勧請鎮座したのが始まりと伝えられる。

 その後、後三年の役で源義家が再度陸奥征討のためこの地を訪れたとき、 新宮に移すよう命じられたので、応徳2年(1085)から仕事にかかり、 寛治3年(1089) に造営が終わったといわれている。

 熊野神社長床の奥の小高い丘に建つ本殿の三社は、中央が新宮証誠殿(しょうじょうでん)、向かって右が本宮十二社権現殿、左が那智山飛竜権現殿で、中央の新宮証 誠殿は、一間に二間の春日づくりの様式を伝える建物である。

 新宮証誠殿は、屋根の千木(ちぎ)、背面の切妻、正面の蔀戸、勾欄(こうらん)、それに軒を支える手鋏(たばさみ)が、他の二社殿は二軒(ふたのき)であるのに対し三軒であり、向拝に連なる木鼻(きばな)や屋根の形にも特殊な要素が加えられ、時代による再建修築の変遷をよく示している。

 なお、昭和45年から46年にかけて応急修理をおこなっている。

所 在 地 慶徳町新宮字熊野  熊野神社

指定年月日 昭和42年12月8日

熊 野 神 社 本 殿


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