喜多方市の文化財 -037/055page
イトヨ
イトヨは、海にすむ降海(こうかい)型と内陸にすむ陸封(りくふう)型に分けられ、国内の陸封型イトヨは、北海道、青森、福島、栃木、福井など に分布している。喜多方にすむのは、陸封型で「トゲチョ」 と呼び親しまれている。わき水の池やその下流の水温18度前 後の水域にすみ、市内では押切川、濁川、押切川公園や 天満公園の池などに分布している。
早春から夏にかけて、流れのゆるやかな砂泥地に、オスが水 草などで巣をつくる。巣が完成すると、ジグザグに泳ぐように してメスを巣に誘う。オスは巣に入ったメスの尾のつけ根あた りを口先でつついて産卵を促す。卵は約10日間でふ化し、稚魚 はしばらくオスの保護を受けて過ごす。イトヨは、一年で成魚 となるが寿命は他の魚と比べて短い。
会津染型紙
布地に模様を出す方法の一つに、模様が彫られた型紙を布に 当て糊をおき模様の部分が藍に染まらないようにして布に模様 をつける「型染め」がある。
型紙は、江戸時代、伊勢白子(三重県)の型紙が全国的に販 売網を確立していた。このような中で、市内の小野寺家(現小 野寺一弥氏宅)で、製造販売がおこなわれていた。喜多方には、 良質の和紙がたくさんあったこと。さらには型紙に必要な柿渋 がたくさんあったことなどが、栄えた要因であると考えられる。
型染めは、昭和の初めに染物屋が減少したことにより途絶え てしまった。しかし、永く小野寺家に保存されていた多くの型 紙が市に寄付され、現在それらの分類調査中である。
所在地 字柳原 郷土民族館