目で見る 熱塩加納村の文化財 -009/144page

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文 化 財 と 保 護

一、文化財の意義 

 日本の国はアジア大陸の東端に、細長く南北にのびた島々で成りたっている。この日本列島が大陸から離れたのは約一万年前といわれており、それからというものは大陸や南の島々から渡って来た個々の民族が、一つの日本民族としてとけあい、現在みられるような日本人が形成されたといわれている。 

 日本は島国であるため大陸からの文化移入も断続的であったが、その長い日本民族の歴史の中で、石器をつくり土器をつくった原始時代より、歴史時代を迎えて大陸から先進文化を受け入れ、それを消化し日本文化として形成していった。例を宗教にとるならば、わが国固有の信仰たる神ながらの道を基として、仏教も、儒教も、道教も、キリスト教も受け入れた。このように多様的に受け入れるということは日本文化の大きな特色といわれている。 

 さて気候はどうか。前に述べた地理的環境により温暖多湿な海洋性気候で住みやすく、四季折々の自然の変化に富み、その自然に適応した日本文化がつくりだされた。それは各地のすばらしい建築、彫刻、庭園などの文化財をみればうなずけることである。 

 このように過去の人々が、毎日の生活の中からつくりだしたものを「文化財」といっており、それは、日本の歴史や芸術、学術の上で文化的価値の高いものでなければならない。そしてこれらの文化財が活用されて、国民の人間形成の上に大いに役立つものとしなければならない。 

二、文化財の保護  

 文化財は、わが国の歴史や文化を正しく理解するために必要なものであり、一部所有者だけのものでなく広く貴重な国民的財産でなければならない。この貴重な文化財を守ることは国民全体の責務である。 

 文化財は現在どのようなしくみで保護されているのであろうか。まず国においては最高の機関として文部省の外局 


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