目で見る 熱塩加納村の文化財 -040/144page
観 音 堂
堂は会津三十三観音五番札所として有名で参詣者が多い。御詠歌は「後の世を助けたまひや観世音、慈悲熟塩に参る身なれば」。
堂は北向、三間四方の方形造りで、カラートタン葺きである。記録によれば江戸時代の天明八年(一七八八) の上棟である。
全体に唐様【からよう】建築の仕法で、安土桃山時代(一五 六八〜一六〇三) の豪華な表現の中に華麗な波状文、龍、 鷲、白蓮などの動植物文の浮彫彫刻が堂前面に施されており 見事である。
総 門
江戸時代の寛保年代(一七四一〜)頃の建立とされ「第一義」 の扁額を掲げる一門一戸、梁間二門両扉、瓦葺き切妻屋根になる二本の本柱と四本の控柱からなる総欅の四脚門である。
華麗な彫刻はないが豪壮清楚な造形は正面、側面ともに重厚な曹洞禅寺の作風で、他の楼門風山門と異なった近世の代表的建築物である。