山都町勢要覧 -002-003/022page
懐の大きさに大いなる夢をみた
山都には、気高さがある。それは万年雪を頂く飯豊の気高さ。山都には、清らかさがある。それは、飯豊から湧きいでる水の清らかさ。山都には爽やかさがある。それは、大地を吹きぬける緑の風。山都には、安らぎがある。それは、飯豊のすそ野に広がる田園風景。山都の自然は、大きくて、奥深い。だから、そこに生きる人々は、逞しく、温もりがある。
山都は、飯豊を中心にした美しい山河とそばの町。飯豊に源を発する早稲谷川、五枚沢川、宮古川の流れは、幹流一ノ戸川に注ぎ込み、やがて雄大な流れの阿賀川へと合流して行きます。その流れと山々が織り成す風景は、四季を通じて訪れる人々の心を魅了して止みません。
8月になると、霊峰飯豊を背景にしたそば畑が、一面に白い可憐な花を咲かせます。その涼しげな風景が、山都町のすべてを物語っています。その素朴さと爽やかさからは、飯豊の大自然に育まれた大地の温もりと、奥深い自然の心が伝わってきます。
新しいそばの季節、11月は、山都そばの一番美味しい季節。ひきたての一番粉だけを使い、打ち方から、ゆで方に至るまで、すべてにこだわりをもつ山都の人々がつくり上げた味わいが光ります。
そば処山都の中でも、最も美味しいと言われているのが宮古。宮古では、民家で手打ちのそばを味わうことができます。その風情と味わいには、格別なものがあります。
飯豊のすそ野に広がる山都とその地には生きる人々がつくり上げたものは、そばの文化だけではありません。飯豊のもつ気高さゆえにか、いにしえから、飯豊山を信仰の山として崇めてきました。そして長い歴史の中で、人々が、数多くの文化遺産を残してきました。そこからは、奥深いとうとうとした文化の香りが伝わってきます。
今、山都町は、今まで育ててきた文化を活かして新たなる文化の町づくりをしようとしています。それは、そばの里づくりの大いなる夢にほかなりません。