高郷の地質と化石 会津化石研究グループ -010/066page
また、軽沢峠の切割りには、藤峠層に属する泥岩、砂岩、亜炭などの地層がいく重にも 重なっている様子が観察されます。そのなかに葉の化石がいっぱい入っている地層やケイソウがたくさん積もっているケイソウ土層もみられます。ある泥岩には、淡水や汽水にすむ、シジミヤアゲマキガイの貝化石が含まれます。
C:高郷村郷土資料館――清水利田の切創り(約3.6km、徒歩約1時間)
利田層の泥岩層からは、ウニや有孔虫などの化石がみつかります。泥岩の色や固さ、割れ方の違ったものがみられます。
D:高郷村郷土資料館――永農(なぎの)――池ノ原の切創――西羽賀(約10km、徒歩約5時間)
池ノ原付近の砂岩層からは、珪化木(けいかぼく)がしばしばみつかります。また、池ノ原の砂岩層に 含まれる、きれいな両錘形(りょうすいけい)をした石英がまぶしく輝きます。池ノ原と西羽賀(にしはが)を結ぶ道路沿いには砂岩や凝灰岩が観察され、それらの地層にはみごとなラミナ(葉理)が発達しています。また、葉の化石をくっきりと残す地層もあります。
(2)おもに岩石や地層が観察されるコース
E:高郷村郷土資料館――荻野石採石場――相ノ瀬利田の崖――釜の淵(約4km、徒歩1時間)
荻野付近の各採石場には、お断わりすれば、きめ細かで美しい緑の荻野石、つまり、緑色凝灰岩(グリーンタフ)が観察できるところに行くことができます。相ノ瀬利田の南西の崖は、流紋岩が屏風岩のようにそそりたっています。また、釜の淵付近には高郷地域で最も古い岩石のセン緑岩〜花コウ岩がみられます。
F:高郷村郷土資料館――清水利田――立岩(約8km、徒歩約3時間)
清水利田から立岩までの道の切割りには、利田層の泥岩が観察されます。立岩には、塔のようにそそりたつ流紋岩の山があり、その北方には円錘形の富士山があります。富士山は花コウ若からできていますが、その麓には花コウ岩が風化してできた砂の層が観察されます。これは利田層の一部ですが、高郷に分布するうちで、最も古い地層のひとつです。