高郷の地質と化石 会津化石研究グループ -031/066page

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16図
有孔虫の化石
16図 有孔虫の化石(スケール1mm)

 利田層の泥岩からは、かなり前から、グロビゲリナ、グロボクアデリナ、グロボロタリア、アノマリノイデス、ブリザリナ、ブリミナ、デンタリナ、フィスリナ、ラゲナ、メロニス、サイクラミナなどの有孔虫が産出すると報告されています。

 漆窪層からサイクラミナという有孔虫が産するとされています。

(2)ウニの化石

 ウニは棘皮(きょくひ)動物の仲間で海にすみ、形は丸く、平たいものやまんじゅう形をしており、石灰質の殻をもっています。表面には放射状(ほうしゃじょう)に5つの帯(おび)と多数の棘(とげ)があります。

 化石としては、塩坪層からまんじゅう形の体の部分と棘がよく産出します。漆窪層からも棘などの化石が見つかります。

第17図ウニの化石
第17図 ウニの化石(スケール10cm)

(3)貝化石

 貝化石は漆窪層と塩坪層、それに藤峠層から見つかっています。特に漆窪層と塩坪層から産出する二枚貝や巻貝は、福島県立博物館の調査によれば「塩原型化石動物群」と「耶麻(やま)化石動物群」に属する、特徴的な貝化石であるといわれています。これらはすべて海生の貝ですが、藤峠層から見つかる貝化石は淡水あるいは汽水域に棲むものが産出しています。高郷を含む、周辺の自然環境が、海から湖・河口のような地域に変ったことを示しています。

 まず漆窪層と塩坪層から見つかる月化石のおもなものを次に紹介しましょう。


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