高郷の地質と化石 会津化石研究グループ -053/066page

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附章 高郷村郷土資料舘が開館されるまで

       

1.高郷村郷土資料館の誕生

 

 高郷村郷土資料館が誕生するまでを、まず簡単(かんたん)にふれてみましょう。

   村政(そんせい)の仕事の分野で、郷土資料館を担当するのは教育委員会です。1981年(昭和56年)9月 16日、教育委貞会は、月末の30日にせまった県のヒヤリングに間に合わせるため、村の社会教育委員・文化財保護審議委員の合同会議を開き、「歴史資料館(仮称)(かしょう)建設に係(かかわ)る件について」 の話し合いをもちました。席上、教育委員会の提案(ていあん)説明によると、

・土地の買収は時間がかかるので村有地に建てる。

・3880万(設計100万、建物3600万、備品(ぴひん)180万)をかけ鉄骨造り2階建てになる。

・管理運営は公民館に所属(しょぞく)するので、既存(きぞん)建物の公民館より渡り(わた)廊下(ろうか)で接続することになる。

                       

などが、出されて話し合いの結果、この合同会議で確認されたのは、・公民館と結びつく運営はやむをえないとしても、村の文化センターの役割をはたす運営でなければならない。そのためにも、渡り廊下でつなぐ建造物ではなく、1階に玄関をつくり単独の建物にすべきである。

ということで、これにともなう設計の変更、細部についての模様替えは事務局に一任することになりました。このように、資料館へむけての青写真が村当局のなかでできあがりつつあったのです。

  

あけて翌年の1982年(昭和57年)3月11日、佐藤善清高郷村長は、「昭和57年度施政方針演説」のなかで、『数多い縄文(じょうもん)時代の土器類、古代の化石、古文書、さらには祖先が残した用具など歴史的民俗遺産(れきしてきみんぞくいさん)を広く一般に公開して郷土の文化財に対する認識を深め、併(あわ)せて、これを保存するための郷土資料館の建設…』を打ち出します。その財源(ざいげん)に、今年度限りで交付(こうふ)される新郷(しんごう)発電所建設による電源立地促進対策交付金3880万をあてることも、あわせて村民の前に発表しました。高郷村の昭和57年度一般会計予算のなかで、村の自主財源といえる歳入(さいにゅう)は予算全体の11%にあたる1億4846万であり、このなかに資料館建設資金の3880万を含めた電力関係交付金5994万もはいっているのです。こんな予算執行状況(よさんしっこうじょうきょう)で、当初63年度予定の村振興計画(しんこうけいかく)により6年早めたこの資料館建設は、当然のこととして、村内に大きな反響(はんきょう)をおこすことになります。「いままで収集したガラクタをいれるだけなら大きな無駄(むだ)づかいだ」、「もっと目に見


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