500万年前、「とうとう、海から湖へ」(藤峠層)
図14 軽沢峠の大露頭(写真提供 細川俊男氏)
軽沢峠や池ノ原地区には、藤峠層とよばれる地層が分布しています。
軽沢峠では、砂岩や泥岩・凝灰岩などが何重にも重なり、地層からはシジミガイやアゲマキガイなどの貝化石、湖にすむケイソウ化石などが見つかります。火山灰が球のように丸くなってたいせきした火山豆石も、灰色の凝灰岩層にふくまれています。
池ノ原地区の砂岩には、両錐形のきれいな石英が多く含まれています。かつて、この石英を多くふくむ砂岩(珪砂)は、採取されてガラスの原料に利用されました。
また、藤峠層には植物の化石が多く含まれ、亜炭の層は、採掘されて燃料として使われたことがありました。
このような化石と地層から、藤峠層は潟や湖のような環境でたいせきしたと考えられます。「会津の海」は塩坪層の時代を最後に、とうとうすがたを消してしまいました。
図15 ケイソウ化石