「地層学習」ガイドブック-013/015page

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さらに隆起して今日のすがたに―変化をつづける大地―
 「会津最後の海」は、アイヅタカサトカイギュウとともにたくさんの生き物たちがすむ、豊かな海でした。その後、高郷は湖・潟をへて、現在ではすっかり陸地となりました。大昔海の時代があったことなど、信じられないほどです。しかし、大地は、今も変化を続けています。目の前の地形に、大地の動きを感じてみましょう。
【高郷の地形その1 河岸段丘】
 上がり続ける大地、その大地を下へけずり続ける阿賀野川。今も続くこの大自然のいとなみは、すでに4〜5段もの河岸段丘を高郷に形成しています。
 段丘には、塩坪遺跡に代表されるように、早く(15,000年前、旧石器時代)から人が住み、木の実をとったり狩りをしたりしてくらしていました。5,000年前には沼沢火山の噴火によって、大量の軽石を含んだ土砂が運ばれ、たいせきしました。
【高郷の地形その2 ケスタ地形】
図20 雷神山スキー場
図20 雷神山スキー場

図21 塩坪の「へつり山」
図21 塩坪の「へつり山」

 高郷村には、「へ」あるいは「■」のような形をした山が多く見られます。これは、山をつくっている地層のかたむきが、そのまま山の表面の形となってあらわれているためです。これをケスタ地形といいます。雷神山では、かたむいた地層の面がそのまま、スキー場に利用されています。
 「海」でたいせきした地層が、今「山」となってわたしたちの目の前にそそりたっています。自然の力は、なんとすばらしいのでしょう。

図22 高郷中学校から見た塩坪の「へつり山」
図22 高郷中学校から見た塩坪の「へつり山」

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