西会津町勢要覧 -016/022page
西会津町名物図録
西会津町と・い・え・ば……。
挙げたい品は、数々あれど、まっさきに自慢したい名物を さぁ、ご覧じてください。◆ 洋服に桐下駄も、またよし。
昭和三十年代末頃まで、普段の履き物といえば下駄であった。子供も洋服に下駄履きという格好で駆け回っていた。やがて車の往来が増え道路の舗装が進むと、下駄では歩きにくくなり、履き慣れた下駄も玄関先から消えていった。
今では下駄を履く時といえば盆踊り。若い人も浴衣の素足に下駄履きと粋にきめる。でも慣れないせいか、足を擦りむくことも。あまり深く履かず、親指と人差し指ではさむようにして履くのがコツだ。
ところで、西会津町では毎年十一月の初めに「桐下駄健康マラソン大会」がある。下駄を履き、六キロを走るという桐下駄特産地ならではの催し。開放感ある履き心地に魅せられ、普段の生活でも、時々履く人も増えているとか。
◆ 赤べコは、なぜ赤い?
上下に首を振るユーモアたっぷりの表情の赤べコは、会津地方の郷士玩具、西会津町でもその多くを生産している。今でこそ飾り物として、みやげの人気者だが、もとはと言えば、病気の魔除けの役割を果たしていたという。江戸時代には赤い色をした人形は、赤物といって災いを祓うと信じられていた。赤べコもその一つとして、子供のほうそう除けに、枕元に置かれたという。だから、赤べコの斑点は、ほうそうを現しているとも言われている。これはまったく の迷信でもなさそうだ。病気でもじっと寝ていられないやんちゃな子供も、ゆっくり首を振る赤べコが遊び相手であれば、飽きずにふとんの中でじっとしているので、病気が治ったのかもしれない。