会津本郷の野仏 -004/090page
会津本郷野仏の解説
会津本郷町文化財調査委員会
1 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)「釈尊入滅後、次代の仏である弥勒仏が56億7千万年の後に出世するまでの無仏の間、この五濁の世に出現して六道(地獄・我鬼・畜生・修羅・人間・天上)の衆生を救済する菩薩」がお地蔵さんです。
町内には24基のお地蔵さんが、寺や観音堂・墓地の入口・村外れ・旧街道沿いに造立されています。
今から2百余年前(明和年代)ごろまでが、お地蔵さん信仰のピークであったと考えられます。
村のはずれのお地蔵さんは、いつもにこにこ見てござる…あるときは母親が子の健やかに育つことを願い、また、病に苦しむ者はその平癒を願い、老人たちは集まって念仏を唱えて後生を願ってきました。
このようにお地蔵さんは、私たちの身近にあって、ときに遊び、ともに悲しみ、いつまでも深く親しみ合う仏様といえましよう。
2 湯殿山出羽三山の奥の院と崇められる湯殿山は。“大日如来・を 本地仏として祀り、作神と家内和合を祈願する神仏混淆(しんぶつこんこう)の信仰です。
町内には26基の湯殿山が、それぞれの集落に造立されています。
湯殿山詣(まい)りは寛政(1789)から、天保(1843)の五十年間が最盛期でありました。
集落ごとに“講中”を組み選ばれた代参人が行屋にこもって水を浴び、身を清めてお盆のころに豊作祈願の詣(まい)りをしたのです。
時の流れに湯殿山詣りも変貌して今は苔むす26基の供養塔が、その昔の面影を現在に残しています。
*寛延元年(1748)に造立された「奉八日供養塔」が、土俵河原に見られます。10月8日は湯殿山の御縁日です。
(*のは尾島利雄氏よりの御教示)
3 白湯山 (はくとうさん)“白湯山・は、那須山の主峰である茶臼岳(1917メ