時空抒情 新鶴村村制施行100周年記念誌 -037/057page

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カントリーエレベーター
平成九年に完成した カントリーエレベーター

である。
 稲作主体だった新国家も、昭和三〇年代に は複合経営へと転換を図っていく。養豚も軌 道に乗り、稲作は増産に次ぐ増産で、新国家 に限らず、おそらくは農業従事者すべてが黄 金時代を迎えていた。転機はやはり、四五年 以降の生産調整に始まり、五三年の第二次減 反政策である水田利用再編対策の実施で決定 的になった。この年の新鶴村の転作作目の主 なものは、大豆二五六六アール、牧草一七九一 アール、トマト四一〇アール、たばこ二四七 アール、大麦四九七アール、そば五八四アー ル、薬用人参三二四アール、いんげん二五九 アール、それに胡瓜、花卉等となっている。
 武彦氏をはじめ、桧ノ目の新国賢一郎氏、 上野渡氏、上野繁一氏、大堀市雄氏ら五人は、 玉二年から水田を利用した露地菊の栽培に取 り組んだ。これは新鶴村が指定を受けた地域 農業経営育成総合指導事業の趣旨にも合致し、 努力が報われて、会津花卉振興共進会や福島 県共進会などで知事賞はじめ数多くの入賞に 輝いている。
 また、新国家では武彦さん夫婦が菊栽培と 養豚、息子さん夫婦が水稲・グリーンアスパ ラと、各部門担当制をとって合理化を図って いるが、それらが評価されて平成元年(一九八 九)には日本農業賞金賞という栄誉に浴した。 これは東北代表として全国審査に臨んだので さえ県内で三回目、金賞はもちろん初めてと いう快挙であった。

右から新国寅彦氏、武彦氏、和彦氏
右から新国寅彦氏、武彦氏、和彦氏と新国家は3世代にわたって農業を営んでいる。武彦氏が手にしているのは、平成2年に献穀米が大嘗祭の庭積の机代物として御供進されたことを伝える書状

菊の出荷作業
菊の出荷作業

収穫した菊を手にする武彦氏とヒロコさん
収穫した菊を手にする武彦氏とヒロコさん


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